2025年の夏。アニメファンにとって、久しぶりに“観たい作品が多すぎる”シーズンがやってきた。SNSでは「今期は豊作」「毎週が神回」といった声が飛び交い、放送開始からわずか数週で“覇権候補”が乱立する異常事態に。
でも、ただ数が多いだけじゃない。今期の作品には、それぞれ違った角度から心を揺さぶってくる力がある。ときめき、静かな狂気、じんわりとした感動。どれも、観終わったあとに少しだけ自分の感情が動いていることに気づくような、そんな作品たちだ。
ここでは、そんな今期のアニメの中から、特に印象に残ったものをジャンル別に紹介していく。
青春と恋愛:言葉にならない感情が、画面の向こうで揺れている
『薫る花は凛と咲く』

静かな空気の中で、少しずつ心が動いていく。そんな“青春の温度”を丁寧に描いた作品。セリフの少なさ、視線の揺れ、距離の詰まり方――そのすべてが美しくて、観ているだけで胸がぎゅっとなる。誰かを好きになることの不確かさと、確かさ。その両方が、静かに描かれている。
『その着せ替え人形は恋をする(第2期)』

前作からの人気を引き継ぎつつ、今期も安定のときめきを届けてくれる。喜多川さんの破壊力は健在で、五条くんとの距離感が少しずつ変化していく様子に、毎話ニヤニヤが止まらない。コスプレというテーマを通じて描かれる“好き”の形が、どこまでもピュアで、どこまでもリアル。
ファンタジーと異世界:日常から少し離れた場所で、心がほどける
『サイレント・ウィッチ』

魔法が使えるのに、極度の人見知り。そんな主人公が、周囲にバレないように“影の守護者”として奮闘する物語。設定は王道なのに、キャラの個性が強くて、どこか新鮮。魔法バトルの演出も迫力があり、ファンタジー好きにはたまらない一作。
『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う(第2期)』
タイトルだけで「何それ」と思うかもしれない。でも、観てみると意外としっかりしていて、笑えて泣ける。自販機としての限界と可能性をフル活用したバトルや交流がクセになる。第2期では仲間との絆も深まり、よりドラマ性が増している。
ミステリーとホラー:静かな違和感が、じわじわと心を侵食する
『光が死んだ夏』

田舎の静かな風景の中で、何かがおかしい。何かが狂っている。でも、それが何なのかは言葉にできない――そんな不穏さが、じわじわと心を侵食してくる。映像の美しさと、セリフの少なさが逆に怖い。観終わったあと、しばらく黙ってしまうような余韻がある。
『タコピーの原罪』

見た目はかわいい。でも中身は、重い。とにかく重い。いじめ、家庭環境、孤独――子どもたちの世界に潜む“救いのなさ”を、タコピーという異星人の視点から描く。観るのに覚悟がいるけれど、観た後の余韻はとてつもなく深い。静かに刺さる人が多い作品。
アクションとバトル:テンポの良さと熱量が、観る楽しさを思い出させてくれる
『ダンダダン(第2期)』
怪異×青春×バトルという、ジャンルのごった煮。でもそれが最高に面白い。第2期ではさらにスケールアップしたバトル描写と、キャラ同士の関係性の深化が見どころとなっている。テンポも良く、観ていて飽きない。今期の“元気枠”としておすすめ。
『SAND LAND』
鳥山明原作の作品で、アクションとユーモアが融合した王道冒険譚。キャラの造形、世界観、アクション――すべてが“王道”で、安心して楽しめる。原作ファンからの期待も高く、今期の“安心して観られる新作”として支持されている。
新作注目枠:まだ知られていないけれど、静かに心に残る作品たち
『Turkey!』
音楽演出と映像美が話題の作品。キャラクターの造形も個性的で、セリフよりも音楽で語る場面が多く、まるでMVを観ているような感覚になる。キャラの感情が音に乗って伝わってくる瞬間が、たまらなくエモい。今期の“隠れ神作”として、静かに話題になっている。
『瑠璃の宝石』
宝石をテーマにしたファンタジー作品で、世界観の構築力と色彩設計が高く評価されている。ビジュアル面での訴求力が強く、観ているだけで癒される。キャラ同士の関係性も丁寧に描かれていて、じんわりと心に残る。静かに推したい人におすすめ。
どの作品を観るか迷っているなら、まずは気になるジャンルから1本だけでも観てみてほしい。きっと、あなたの“推し”が見つかるはず。そして何より、アニメは“誰かと語り合う”ことで、もっと楽しくなる。SNSでも、友達同士でも、推しを語って、泣いて、笑って――そんな夏が、今ここにある。
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